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物が見える仕組み

黄斑円孔と黄斑前膜がどんな病気か知るために、まずは眼で物が見える仕組みについて話しましょう。

眼球内に入った光は、網膜というフィルム上にピントを結び、映像になります。網膜は眼球の奥全体に広がっていて一点を見つめていても、広い範囲を同時に視野に収めることができます。ただし、網膜の中心とそれ以外の部分では、視力に大きな差があります。

例えば文章を読んでいる時、視点を少しずつ動かして常に視野の中心で文字をとらえているはずです。もちろん離れたところにある文字も見えていますが、その文字を視点を動かさずに読むのは、非常に困難だと思います。

このことから、網膜の中心には視力がとても鋭敏な一点が存在することがわかります。その一点が黄斑です。
黄斑は高い視力を得るための特殊な構造になっています。このため黄斑の機能が失われると、他の部分の網膜は健康でも、視力は極端に低下してしまいます。

黄斑前膜とは

黄斑(おうはん)とは網膜の中央にある、ものを見るために一番重要な部分です。ものの形、大きさ、色、立体性、距離などの光の情報の大半を識別しています。この部分に異常が発生すると、視力が低下したり、ものの見え方に支障がでたりします。

誰でも50~70歳くらいになると眼の大部分を占める硝子体に変性が起こってきて、硝子体が網膜から離れていくのですが、この時に、物を見る中心である黄斑の上に硝子体の一部が残ってしまい膜を形成して黄斑前膜となると考えられています。
その他、外傷やぶどう膜炎(眼内に炎症があこる病気)など眼の中の炎症が原因となる場合もあります。

黄斑前膜の症状

初期には無症状ですが、進んでくると物を見る中心である黄斑の上に膜ができるため、膜越しで物を見ることになり視力が低下します。
またこの膜が収縮することによって、網膜を引っ張り、しわをつくることがあり、物がゆがんで見えたりする場合もあります。

黄斑前膜の治療

黄斑前膜は眼球内の一番奥にできる病気なので、目薬や飲み薬では良くなったりすることはありません。
手術をして黄斑上膜を取り除く以外方法はありません。

ただ、黄斑前膜があれば、すぐに手術をしなければならないというわけではありません。黄斑前膜により視力低下・ゆがみなどの自覚症状が強くなった時に、症状安定のための手術を行います。

また、黄斑前膜は放置しておくと網膜の一部である黄斑部に強いしわ・むくみ・あな(円孔)を作ることがありますので、手術をしない場合でも定期的に眼科を受診していただき、黄斑前膜の状態を検査しておくことが大切です。

黄斑円孔とは

黄斑(おうはん)とは網膜の中央にある、ものを見るために一番重要な部分です。ものの形、大きさ、色、立体性、距離などの光の情報の大半を識別しています。この部分に異常が発生すると、視力が低下したり、ものの見え方に支障がでたりします。

誰でも50~70歳くらいになると眼の大部分を占める硝子体に変性が起こってきて、硝子体が網膜から離れていくのですが、この時に、黄斑を硝子体が牽引することにより黄斑に穴があいてしまう病気です。最も視力が鋭敏な部分である黄斑に穴が形成されてしまうと、視力は眼鏡などで矯正しても大きく低下してしまいます。

黄斑円孔の症状

視力が下がる、見たい所が黒い影になって見えない、歪んで見える等の症状が出ます。

黄斑円孔の治療

硝子体手術を行います。硝子体を切除し内境界膜といわれる薄い膜を剥がし、黄斑をひっぱる力を失わせます。
しかし、硝子体のひっぱりを取っても、それだけでは十分ではありません。手術の最後に、この硝子体があった部分を気体で置き換えてやるのです。この置き換えた気体が、眼の内側から網膜を押さえつけます。

先ほどの硝子体のひっぱる力を失わせることに加え、気体が網膜を抑えつける効果で、黄斑円孔が閉鎖できます。黄斑円孔は眼の後ろ(奥)に存在するため、この部位に気体が当たる必要があります。すなわち、手術後はうつむきの姿勢の維持が必要です。横たわっても結構ですし、座っても結構ですので、数日間、後頭部が頂点になる姿勢をとってもらいます。

この姿勢の維持は手術と同程度にとても大切です。これで手術結果が決まると言っても過言ではありません。

硝子体出血

眼内の硝子体に出血を起こした状態です。網膜に光が届きづらくなるため、視野が見えづらくなったり、重度の飛蚊症の症状が現れたりします。

原因は様々ですが、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性、裂孔原性網膜剥離などで生じる可能性があります。

治療は眼の奥の眼底の血管が見える程度で網膜剥離を伴っていなければ経過とともに自然吸収されて薄くなる可能性が大きいです。吸収と共に原因疾患の治療を行います。網膜剥離を伴うものであれば早期の手術を行います。

裂孔原性網膜剥離

裂孔原性網膜剥離とは網膜にできた裂孔(穴)が原因となって起こる網膜剥離です。

原因は加齢による硝子体の変化で網膜が引っ張られ裂孔が生じたり、網膜が委縮し円孔という丸い穴が出来て生じる事もあります。この裂孔や円孔から水(液化した硝子体)が入り込み網膜がはがれ網膜剥離となります。

治療は初期のころは裂孔が出来ていても剥離が生じていない事も多く裂孔の周りをレーザー治療にて固め治療します。網膜剥離まで進行している場合は手術が必要になる事が多いです。

アレルギー性結膜炎

外から入ってくる、スギやヒノキなどの花粉やカビ、ダニ、ペットの毛などの異物(アレルゲン)に対して体が過剰反応をすることが、結膜炎を引き起こす原因となります。眼が痒くなったり、充血や目ヤニが出るなどの症状があります。

治療法は、抗アレルギー薬やステロイドの点眼を行います。

ドライアイ

ドライアイは、目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行きわたらなくなり、目の表面に傷が生じる病気です。高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイの患者様も増加しています。

症状が軽い場合は、潤いを持たせる点眼薬で治療を行います。状態により涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をして涙の出口に蓋をする治療を行うこともあります。