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網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症とは

眼球の内側には、網膜と呼ばれる、光や色を感じるための視神経の先端が分布している薄い膜状の組織があります。

網膜全体に分布する血管の一つが網膜静脈で、いろいろな原因で網膜静脈が途絶えると、網膜に出血する網膜静脈閉塞症という疾患になります。網膜静脈の根元が閉塞した場合は網膜中心静脈閉塞症となり、網膜全体に出血します。また、静脈の分枝が閉塞すると網膜静脈分枝閉塞症となり、網膜の限局した部位に出血します。

症状が進行すると新生血管が発生し、眼球腔内に出血が充満する硝子体出血や新生血管緑内障を併発します。

網膜静脈閉塞症の主な症状

加齢黄斑変性になると、見たいところが見えない、読みたい文字が読めないなど、日常生活に支障をきたします。また、その症状は進行していきます。
まったく無症状のこともあります。

  • 急激な視力低下
    出血やむくみ(浮腫)が、視力に最もかかわる網膜の黄斑に及ぶと視力が低下します。
  • 突然の視野障害
    黄斑が侵されていない場合は、病変の部位によって症状が異なります。(例:上あるいは下の方が見えなくなった)
  • 変視症
    物が歪んで見えたり、曲がって見えることがあります。

網膜静脈閉塞症の治療方法について

抗VEGF療法という新生血管を沈静化させる薬を、硝子体内に注射する方法が一般的です。脈絡膜新生血管の発生にはVEGF(血管内皮増殖因子)が関係していると考えられており、VEGFを阻害することにより脈絡膜新生血管を退縮させる治療法です。

まず、眼に1か月毎に2~3回注射します。その後は定期的に診察をして、脈絡膜新生血管の活動性の程度により、再度注射を行います。

網膜光凝固術(レーザー治療)

硝子体出血や血管新生緑内障などの合併症を予防あるいは治療するために行うことがあります。黄斑のむくみの治療として行うこともあります。

硝子体内注射

眼の中にVEGF(血管内皮細胞成長因子)という物質がたまるとことが黄斑浮腫の原因であることがわかっており、その抗体である薬を眼球内に注射します。点眼麻酔をした後、細い針を使って、白目の部分から薬剤を0.05cc注入します。注射は1回だけで終わりではなく、黄斑浮腫が再発したら追加投与が必要です。

目の状態や全身の状態(血圧の変動やごく稀に血栓が生じることもあるという報告があります)をチェックするため、注射を行った翌日も外来を受診していただく必要があります。

手術(硝子体手術)

眼球腔内に出血を生じる硝子体出血などの合併症を治療する目的で行う場合があります。